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死んで尚、自分を貫く彼女の死にざまが、
美しく見えてしまったから。
地の底に堕ちて尚、美しいその姿に、
魅せられてしまったから。
刑部ケイを、
愛してしまったから。
嗚呼、恋は盲目。
見えぬ目の代わりに、鋭敏になった耳に囁くは、
悪魔か、天使か、
『ねえ、臨死君?』
ただ一つ、言えることは、
『警部殿を、救ってあげようよ』
聖は、その囁きに、
身を委ねた。
文字通り、命懸けの、
恋である。
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