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「聖?」
「・・・」
「聖!!」
「・・・な・・・に?」
「こっちの台詞だろそれは! 何だよ急に黙りこくって!」
「・・・ああ、・・・ゴメン」
「・・・んだよ。調子狂う」
ケイは足元の石を蹴り飛ばしながら、聖を睨みつける。
「急にクソ真面目なシリアス顔しやがったと思ったら今度はほおけた間抜け面晒しやがって。一人百面相か」
「ケイは物凄く自然に毒を吐くよな」
「ハッ、事実を言っただけだ。事実を」
「・・・なあ、ケイ」
「んだよ。質問には答えねえっつったろ」
「渚姉ってさ」
「汐凪? 汐凪に関する質問なら答えてやるぜ。あいつの失言百選とか」
「それも割かし気になるけど・・・」
訊きたいのはそれじゃなくて、と聖はケイが蹴り飛ばしかけた石を拾い上げて両手で弄びながら呟く。
「渚姉ってさ、テレパシー的な能力もってたりする?」
「はあ?」
ケイは聖から石を取り返しざま、呆れ顔で答えた。
「超能力者でもあるまいしそんなもんある訳ねえだろ。アホか」
「・・・そうだよなぁ」
ケイは石を空高く投げ捨てた。
「くだらねえ馬鹿言ってないで、日葵を捜すぞ」
「くだらねえ馬鹿て」
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