伍  愛すれど、死人故

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「・・・日葵」 「いや、俺聖だけど」 「知っとるわ」  日葵の魂の叫びが届いたのかどうか、ケイは石を積む手を一瞬止めて三途の川を睨んだ。 「ケイ、お前よっぽど日葵ちゃんの事が好きなんだな」 「好きだけど、それは今どうでもよくて・・・」 「普通に肯定するとこがすげえよ」 「汐凪は日葵と一緒に居るんだろうな。日葵はまだ石を積む時に一人になった経験が薄いんだぞ・・・」 「過保護かよ」 「だが・・・」 「子離れできないお母さんって感じだなw」 「うるさい!」 「いいじゃねーか、自立自立」 「自立する前に壊れたら元も子も・・・」 「ケイは日葵ちゃんを信じられないのかよ?」 「・・・」 「俺のクソ頭いい知り合いも言ってたぜ。リスクを恐れる馬鹿は永遠に子供だって」 「・・・ほっといたって私は永遠に子供だよ」 「いやいや、自立と成長を目指そうぜ!」 「死んだ身体でどう成長しようってんだよ」 「ネガティブだなあ。もっとこう魂の成長的なのをさ!」 「そんな曖昧な成長いらない」 「そこをなんとかぁ」 「お前は何をどうしたいんだよ」  楽しい会話であった。  あまりに楽しそうなもので、地蔵虐としても金棒を振りかざす場面か否か若干迷ったと言う。
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