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「今回はなんやのん? おもろい事件でも起きたん?」
「うん! と~っても面白い事件が一件!」
「はぁん、そらまたろくでもなさそやな」
「ひどおい。ゆぅくんってば!」
渚姉は口では笑ったまま、しかし鼻から上の表情筋は固まっているかのように、
不自然な顔で、言った。
「今回ばかりはさ、私本気なんだぜ?」
いつも通りの、不自然な顔で。
「ほら、ホレた女には幸せになってほしいもんだろ?」
いつも通りの、ブレブレのキャラクターで、言った。
「はあ、そらまた妬けるこって」
青年は枯れ木にもたれかかったまま、それ以上何も語らなかった。
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