壱  彭城日葵 死亡

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「よしっ。じゃーサクサク行くかっ」 「あううう・・・」 「じゃあ次のステップね。えーとどこまでやったっけか?」 「・・・おねーさんが私の服をはぎ取ったとこまでだよ。私今素っ裸だよっ」 「おーそーだったそーだった」  日葵はうずくまって胸に手をあてた姿勢のままきょろきょろ辺りを見回す。幸いにもこのあたりには姉さんと日葵以外には誰もいないようだ。 「だいじょぶだいじょぶ。隠すほどのモノはないから」 「言わないでよッ。活字じゃわからないから隠蔽しようと思ってたのにぃ」 「さて、君はそんな服が好きかな?」 「なんでもいい・・・着れるものなら何でも・・・」 「じゃーマイクロビキニで」 「はいはいっ私カジュアルなお洋服が好きだなっ」 「カジュアルねえ。丁度いい。どうせ誰もかれも白一張羅だからどんな派手な服でもカジュアルに大変身」  脱衣姉さんは足元に咲く花を一輪摘み取ってチュッと口付けた。するとぶわっと花びらが大きくなり白くなりそれは洋服の形を作る。 「ほら着て着てぇ」 「着る着るぅ」 「じゃー準備完了だねっ。行くぜっ」 「待って待って待って待って」  日葵が少しサイズ大きめのシャツの中でもがいている間にもせっかちな姉さんはサクサク話を進めようとする。 「行くぜって閻魔大王様のところ?」 「ノンノンノン」  姉さんは人差指を振ってニヤアッと笑いたいしたためもなくサラリと衝撃の発言をした。 「今から君が行くのは地獄ですぜ」 「え?」  どうやらせっかちな姉さん。神判の間さえもすっ飛ばすつもりらしい。
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