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参 生きるか死ぬか、死ぬか壊れるか。
「汐凪渚さーん!」
日葵はすっかりスムーズになった作業を今日も行い山登って木登って真っ暗な空に向かって叫んだ。
「やっふー」
「やっふーっ! 渚姉」
落っこちないように慎重に木を降りるとそこにはいつも通り渚姉がいた。
「ここんとこ毎日呼びつけるよね。私も結構忙しいんだけど」
「だってぇ、ケイは私の趣味に協力してくれないんだもぉん」
日葵はこのところ毎休憩時間渚姉を呼び出すことを日課としていた。理由は一つ。友達であるところのケイの日葵の趣味への興味のなさっぷりに腹を立てているからである。
ケイに訊いたことだがあの化け物植物は休憩時間には現れない。だから精神的にどれ程疲れようと過労死の心配はないのだからとにかく六時間以内に登ってしまえばいいのだ。
「渚姉なら協力してくれるよね」
「おもしろそうだから手伝ってやることにやぶさかではないけどな。私は忙しいんだぞ!」
「嘘だよ。滅茶苦茶暇そうだよ」
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