第一話 俺は知りたくなかった。

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「まぁ、冗談だけどな。とにかく、体調悪いときは無理すんなよ。」 「ああ。男しかいない男子高に気持ち悪くなったのかな~って、ははっ。」 「なんだそれ。ははっ。あ、そういえば可愛い子はいたぞ?」 「はぁ?」 ここ男子高だよな?もしかして、先生の中に女性がいたのか? 「男だけどな!」 「はぁ!?」 「はははっ。ほら、お前待たせた原因の子がさ。女の子みたいな顔だったんだよ。」 ピシッ。 俺の顔が引きつった。 ぎゃーーーーーーー!!!!!! もうゲームが始まっているのか!?ただの冗談だよな!?そうだよな!?光輝!冗談だと言ってくれ! 「ははっ。光輝、冗談きついぞ・・・。」 「なんだよ~ノリ悪いな~。」 「あ~ちょっと今日は体調悪いからさ。はは・・。」 「ん~確かにまだ顔色悪いな。」 光輝が心配して、圭の前髪ごとかきあげて熱を測ってきた。それを圭は慌てて自分の手で薙ぎ払った。下を俯きながら、少し耳を赤くする。 「や、やめろよ。」 「ごめん、ごめん。熱あるのかと思って。」 やめろ~!俺をBLの住人に引きずり込むんじゃねぇ!可愛い女の子がやるならいいけど、こんな男にされても嬉しくねぇ! しばらく黙って俯いていると、光輝がまた謝ってきた。 「ごめんな?」 困った笑顔で心配そうにしている姿を見て、俺ははっと我に返った。 「あ、違う、違う!ほら、本当に熱とか風邪なら、うつしたら悪いと思ったからさ!」 慌てて説明した。 すまん!光輝のこと疑うわけじゃないが、まじで男同士とか無理だから!いや、たぶん俺モブKだから大丈夫なんだけどさ。いや、そんな偏見持つのもダメ・・・だよな。光輝のことは本当に親友だし。どんなやつ好きになっても応援はしてやれる。それが・・お・・男同士でも。うん。大丈夫! こうして俺の衝撃的な入学式が終わった。 翌日、自分のクラスに初めて入ったわけだが、友達作りに出遅れた感が否めない。当然のように光輝はクラスの中心人物の位置に配置されているようだ。何もせずとも人が集まってくる。圭は、ぼつりと一人で頬杖をついていた。 いいんだ。もしも、これが俺の知っている男同士の恋愛ゲームなら、ぼっちでいたい!ぼっち最高! 教室に慣れ始め、1か月が経とうとしていた。1か月も経てば、だいたいのクラスでの立ち位置も決まってくる。俺と一番仲が良いのはもちろん光輝だ。
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