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エリ公とガっさんとゴキ男
ビバップ最強のピアニスト、エリントン公爵は、同じく最強のベーシスト、ミンガスと、最強のドラマーローチと、バチバチに睨み合っていたそうな。
まさに、玄徳孟徳仲謀が、五丈原の天辺で殴り合わんばかりの状況に似ていました。
「とりあえずよう、随分ブイブイ言わしてんじゃねえかお前等。ただよう、GフラはFシャーじゃねえって何偏言やあいいんだ。ぶっ飛ばすぞおめえ等」
「昔から何回もよう、聞き飽きてんだこっちは。ただよう、俺をチャーリーって言う奴はサッチモだろうと何だろうとぶん殴る。おい、誰だ俺をチャーリーっつったのは?おめえかメガゴキ」
「ハンガーではいい!ってぶん殴るぞお前。マックス・ローチだ」
「GフラFシャー!」
「チャーリー!」
「誰がゴキだああああああああ!」
しょうもない殴り合いを始めた3人の姿がありました。
みなさんこんにちは。洲原敷いちろうです。
やっぱりジャズだなあと思う。
ジャズのいいところは、半永久的にネタが尽きないところ。
金太郎飴みたいに名人達の熱いセッション目白押し。
今日は、エリントン公爵のマネー・ジャングルをご紹介。
(注)62年録音、63年リリース。そして、パーソナルが不穏。
これ、本人が忘れてた1枚。
ダウンロードした記憶すらないんじゃがのう。
じゃあ聴いてみるべえや。って思って、パーソナルも確認せずに聴いてぶったまげました。
何この攻撃的すぎるプレイ。
特に、キレッキレのベースのブンブンっぷり聴いて1発で解った。ミンガスじゃねえかこれ。
改めて検索。エリントンにミンガスにローチ?この段階でうひょうってなった。
全員が全員何かにキレていた。
喧嘩してるって感じではないんだなあ。ただひたすら攻撃的なプレイってだけで。
そもそもミンガスはエリントン尊敬しとったし。
60年代だとローチはミンガスの舎弟。
ちゅうことは、当然ミンガスは理解しとった。GフラはFシャーじゃないことも。
公爵も公爵で何かが爆発しとったし。
ただ、気になったんは、何故62年にホーンレスのリズムセクショントリオなんぞを録音したのか。
実際、ミンガスもローチも若かったんですな。
正直、オスカー・ピーターソンのナイト・チャイルドみたいなセッションって思ったのは確か。
にしては時期がおかしい。ナイト・チャイルドってガンダムと同い年だったっけ?
あのエリントン公が、ジャズの勃興を知っていたエリ公が、どうしてリズムセクションだけを強調するようなアルバム出したのか。それも62年に。
キース・ジャレットが中腰で唸るのは80年代だよな?
ピアノがキャーキャー言われてたピアノ黄金期は、恐らく70年代からだよなあと思うし。
今までエリ公って、エリ追悼もののアルバムしか持っとらんかった。
初めてしっかり生きていたエリ公のピアノを堪能しました。
最初からボーナストラック含めてひたすら攻撃的。
流石はバップ界の荒くれ2人と思ったが、エリ公も負けてないのが凄い!
マイフェイバリットは書き下ろしの表題曲とキャラバン。
キャラバンは知ってるよ何でこんなにぶっ叩くの?
ミンガスなんかベー弦切れたんかってくらいバチバチ引っ張っとったし、ローチもタムタムに穴空いたんか?っつうくらいぶっ叩いていた。
今の時期、午後2時から3時くらいに聴き倒したい。
ところで、1番気になったんはジャケットの人名。
あ。ユナイテッド・アーティスツ・レコードの奴、やったな?
何で、ミンガスの名前チャーリーにしたん?
(注)不穏の正体がこれ。
ああおめえか!俺をチャーリー言ったんは!直立歩行猿人アタック食らっとけえええええええええええええええええええええええ!!
と言ったところで今日はここまで。音楽を止めるな。
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