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「どうしたの、なんかいつもと違うじゃない。」蓮が待ち合わせのカフェで、手を振りながら言った。蓮はバッチリ、クラブ行きのカッコをしている。先に時間を潰していたらしく、タバコを吸っていた。彼女のお気に入りの、キャスターマイルド。
「そう?ちょっとだけ疲れてるかもね。昨日寝れなくて。」
「おさむ君、家に来てるんでしょう?いいなぁ。」蓮も、遠距離恋愛まっ最中なのだった。蓮の彼は今、ロンドンに行っていた。
「おさむくん、いつまで東京に居るの?居るうちに会いたいなあ。3人でご飯行こうよ。」と蓮はそう言って、ウエイターを呼んだ。
「コーヒーひとつ。」美雨は少しだるそうにウエイターに言った。
「そうだね。ご飯でも。私もいつまで居るか、知らないの。兄の家も東京にあるらしいし。」と美雨は言った。
「そうなんだ。あまり話しないの?まあ、そういう感じ、わかる。」蓮は理の不思議な雰囲気を思い出していた。美術が大好きでアーティストらしい、いい男で、自由人である。美雨も美雨で、女らしく、蓮は、まさにお似合いのカップルだと思っていた。美雨をクラブや街に連れて歩けることは、誇らしく思えるのだった。それくらい、美雨は美人だった。理も、美雨に負けず、いい男だった。
「11時からだから、それまで時間潰して行こう。」蓮が言った。
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