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🐷🦊🐗
「遂に来ましたね。待っていたロボットが来たようですね。あなた様の誘導技術は大したものだ。さすがですね」
ロボット?ロボットが来ただと…、もしや、アンドレのことなのか?
「シーッ、大きな声で喋るな。隣の客に聞こえたらどうする気だ。誘導技術なんかじゃない。あっちの人工知能がこっちの人工知能と交信し、勝手にここにやって来ただけなんだ。旦那は、今どこにおられるんだ?」
「入浴中ですよ。このことをお知りになったらさぞかし喜ばれることでしょうね」
「そうだな。どんな処置をするのか、楽しみだな…」
「ロボットは、もうすぐ従業員が一階の旦那さまの部屋に搬入するはずですよ。さあ、我々も行きましょうか」
「そうだな。遅れると、また叱られるからな」
ロボットとはアンドレのことか?アンドレが一階の旦那さまの部屋に搬入されるというのか?一体どうなっているんだ。もしや、既にアンドレの救済が始まっているのか?
・・・ どうしてだ!部屋の電話器が鳴りはじめたではないか。まるでドラマのワンシーンではないか。どうしょう。困ったな。ああ、無視すればよいものを、身に染みついた長年のサラリーマンの習慣からか、未だに俺は義務として受話器を取ってしまう。
「もし、もし…」
「お客様、お客様、ご休憩中のところ申し訳ございません。経営者の小岩がお客様に是非お会いしたいと申しております。間もなく、そちらに参りますので、もう暫くお待ちください。それでは失礼します」
「はあっ?・・・」
さっきの受付スタッフだ。こっちが返答しないうちに電話を切ってしまった。失礼極まりない奴だ。客のことを何と思っているんだ。経営者が是非俺に会いたいだと?それなら早くしろ。こっちは一刻も早く会いたいんだ。
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