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一体なにをやっているんだ。いつまで待たせる気なんだ。 アンドレに悪戯でもしたら許さんからな。
おや、廊下で足音がする。誰か、やって来る。このホテルの経営者なのだろうか?
「お爺ちゃんたら、どんだけぇ待たすのよ。わてを置いてきぼりにせんといて。どこよ、どの部屋なんよ、お爺ちゃんがおる部屋はどこなんよ。お爺ちゃんたら、まったく困ったもんやわ…」
誰なんだ!変な奴が近づいて来る。もしかしたら、この部屋に来るのか?
「はい、はい、お爺さまは逃げも隠れもされてはおられません。あの部屋でお待ちですから、お静かにお願いします」
「あの部屋なんか、ようやく見つかったわ。お爺ちゃん、待っとって、今行くさかいな…」
「これにて、私は失礼させて頂きます」
「この部屋なん?こないむさ苦しい部屋、信じられへん。お爺ちゃんってば、うち、アンドレやで」
なんということだ。アンドレだと?ドアを叩かないでくれ。関西弁なまりで、一体どうしたんだ?
「お爺ちゃま、どうしたんどす?バカあ~ん」
分かった、分かった、分かったよ。そんなにドアを叩くな。今、ドアを開けてやるよ。
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