二重構造ホテル

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 正直言って、お喋りのおまえには興ざめだ。以前の寡黙のアンドレの方が好い。今のおまえを以前のように愛するなんて出来そうにもない。下品で気持ちが悪い。なんかウザい。もしかして、もっと異常が酷くなったのか?こんなことなら、元のバージョンに戻してもらいたいものだ。 「お爺ちゃんたらさあ、なにを黙っているのよ。抱いてよ、さあ、いつものように、この肌を思う存分刺激してよ」 「お爺ちゃん、お爺ちゃんて言わないでくれ。他人が聞いたらどう思うか、俺は少々歳を胡麻化して生きているんだ。以前のように旦那さまと言ってくれ」 「あーら嫌だ。お爺ちゃんで何が悪いの。だって、お爺ちゃんは、深夜、わたしを抱きながら、"お爺ちゃんが好きか、好きか"って毎晩わたしの耳元で(ささや)いていたじゃないのよ」  まったく話にならん。なんとかしてくれ。このクソお喋りめが。可愛らしさがまったくない。いやらしいロボットだ。・・・ あっ、誰か来たようだ。経営者か? 「失礼します。このホテルの経営者の小岩と申します」  待っていたんだよ。首を長くして、あんたを待っていたんだよ。
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