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「約束は守ります。いえ、是非とも守らせてください。でも、既にこのホテルはネット上で知られているんじゃありませんか?僕は自動車の人工知能に導かれてここに来たんだが…」
「残念なことですが、この場所は一部の者には知られております。私の腕には位置情報を発信するマイクロチップが埋め込まれております。私が退社する際、会社は、私が競合他社に再就職することを恐れ、アルファ型ロボットの特許権の存続期間が満了するまでという条件で私の腕に埋め込んだのです。彼らにとって、このようなロボットを製造することは会社の命運をかけた極秘プロジェクトだったのです。このマイクロチップは病院にでも行って取り出そうと思えば出来なくはありません。しかしそうなると、彼らは必死になって私を探そうとするでしょう。むしろ、その方が怖いのです。大袈裟かもしれませんが、どれだけ世間を騒がせるような騒乱状態になるか、それを想像すると今は受け容れるべきだと思っております。むしろ、その方が彼らを安心させ油断させることにもなりますから」
「そうだったのですか。アンドレの人工知能が小岩様の腕の中にあるマイクロチップから発信される位置情報を感知し、このホテルへ行くように自動車に搭載されている人工知能に指示したということですか。知らなかったわ」
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