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秘密の痴態
🎍👺🐉
一月一日、・・・・
「あら、父から年賀状が来てないわ。毎年来ているのに、なにかあったのかしら?」
「元旦に間に合わなかったんだろう。明日あたり来るかもしれんよ」
「そうだったら良いけど。父さんたら、一人で寂しくないのかしら。一緒に住もうと言っているのに強がってばかりなんだから。わたしがどんなに心配しているか、今年こそ分かって欲しいわ」
「本当に頑固な人だな。もしかして、誰かと同居しているのかもしれんぞ。歳をとっても男だからな。我々には内緒にしているのかも知れんな」
「それはどうでも良いけど、どうでも良くないわ。相続に絡んだらどうするのよ。あんたが一番気にしていることなんでしょう?」
「いちど様子を見に行ったらどうだ。まさか倒れていたりして…」
「あんたって、気に障ることばかり言って、莫迦、莫迦」
「冗談、冗談だ」
「でも、様子を見に行ってみようかしら」
「まずは電話したらどうだ。その方が手っ取りばやいぜ」
「そうだわね。義男、今からお爺ちゃんに電話して」
「嫌だね。あの頑固爺、どこか得たいが知れない。気味が悪いよ。受験も近いことだし、今は話したくない…」
「しょうがないわね。じゃ、わたしがするわ」
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