0 始業式の後

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「それにしても、どうしてゲームの世界に入っているなんて非現実的な話になったんだ?」 「ゲームの世界に入って帰ってきたって言ってる奴がいるらしいんだ」 「誰だ、そいつは」 「名前までは知らないけど三年生らしいぞ」 「みんな冗談で噂してるんだろう」 「そうかもしれないけどさ、ゲームの世界なんて、本当に入れたら面白そうだよな!  何の世界が良いかな、『アクアゴールデンシップ』かな、『ボールスの大冒険』もいいし、でも『アネモネ』シリーズも捨てがたいなあ」 「想像するのは自由、だな」 「そうだろ、ワクワクするよな!」  ここで交差点に差しかかった。 「今日の塾はテストだって言ってたよな。頑張れよ!」 「ああ、またあとでな」  レイジは頷いて、交差点をまっすぐ進み横断歩道を曲がっていく。  ユウは右に曲がった。  家にまっすぐ帰る、なんてことはしない。  交差点から三件目にあるゲームショップ・レガロがユウの目的地だ。
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