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彼女と私
私が住んでいる街は千里ニュータウン。最寄りは阪急山田駅。私の名前は、山田千里。
よくもこんな名前をつけてくれたなと、何度も親を恨んだ。この街にいる限り、私は、山田千里は、からかわれ続けるんだから、いつか必ず出ていくと幼い頃から決めていた。
京都の高校を受けるといったとき、わざわざそんな遠くへ行かなくてもいいじゃない、と母はのんびりとした口調で言った。誰のせいでこうなったんだと、私は口を結んで話さなかった。
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