私が…プロポーズ?

148/159
前へ
/159ページ
次へ
147 かなり慌てていたみたいで 髪が乱れていた まだ…仕事中なのに こんなにも急いで 来てくれるなんて 「…志貴さ…ん。」 私が手を伸ばすと しっかりと手を握ってくれた 「美桜? 今日はずっと一緒に居るから… 君は産むことだけ考えて…」 志貴さんと話してる間にも 陣痛の波は ずーっと続いている 痛みに耐えられず 志貴さんの手を ギュッと握ってしまった 「何処か痛い?」 志貴さんが不安そうな顔で 私を見ている 「…はぁ…陣痛が… 今は腰の辺りが痛い…です。」 志貴さんが 私の腰をさすってくれた その後のことは うろ覚えだ …… … 気がついた時には 分娩台の上にいた …えっ?! えぇっ?! あり得ない 感動も何も無い… 私のお腹は ぺったんこになっていた 私は出産が終わった後 …そのまま眠っていたのだ 前代未聞だ!! 性別すらも 分からない… 記憶を手繰り寄せる 名前を呼ばれたのは 覚えてる 看護師が 私のお腹を押して 赤ちゃんが出てきた 『おめでとうございます!! 男の子ですよ~』と言われた… そして…眠ったんだ 安心して… ………
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

655人が本棚に入れています
本棚に追加