非-我について

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「いまの奥さんとは愛情のある結婚ではなかったのですか?」 「いや、愛情はあるよ。まっとうかどうかは分からないけどね。でも羽目を外して痛い目にあうのは若いうちにやっといた方が良い。じゃないと歳をとってから人生で転んだ時に受け身をとれない」 「なるほど、人生の先輩の言葉は深いですね。勉強になります」とうなずきながら彼女は言った。 「君は大学生かな?」と尋ねると彼女は「はい、そうです」と答えた。 「そうか、じゃあまずは勉強頑張らないと」と僕が言うと、彼女は笑顔で「はい、ありがとうございます。娘さん、無事に生まれると良いですね」と言ってくれた。
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