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「俺様、神様だ。お前の人生寂しすぎだから、特別転生させよう」
「転生?」
「そそ」
わしはあたりを見渡した。
真っ白い雲の上、これは、あの世だ。
「あんた引きこもりの魔王やってくんね? ちょうど1つ空いてるんだよ」
「はぁ?」
「スキル適当に使えそうなの付与しといたからさ、俺様たち神様をもっと楽しませてくれ、ネトゲのゴッドファザーよ」
「なぜその名を」
わしの通りな、ゴッドファザー、ネトゲの世界では有名で、彼が現れたネトゲは彼をトップとしてしまう。そういう不思議なニュアンスだった。
「じゃ」
と言われ、わしは雲の上から突き落とされた。
わしの人生は終わったようじゃ。
―――――――――――――――
わしは目を覚ました。
そこはどこかの玉座だった。
どうやらどこかの城の中のようだ。
城の前にはテーブルがあった。
俺はあたりを見渡した。
誰もいなかった。
だが1人の女性が膝をついてこちらをじいっと見ていた。
年齢は18歳くらいだろうか、彼女はとても顔が美形で、テレビなど見ていないし、女性の顔など数十年ぶりだった。
「私、鬼族のメイドであります。名をミルシャと申します。魔王様の誕生をご歓迎いたします」
「へ?」
「だから、あなたが魔王様です」
「そゆこと、うむ、両手がしわくちゃじゃないのお」
「魔王様は青年と呼べる若さでございます。魔王とは長命であり千歳を超えないと老齢になりません、99歳はまだ若いうちに入るでしょう」
「そか、若返るのはいいことだ」
「魔王様はこの世界が初めてですか?」
「うんそうだよ、これからもよろしくね、なんか、ただじゃ成仏させてくれなさそうだし、冒険とかしてみたいしね」
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