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~次の日の朝~
「おはよー。」
「よう涼!今日はめずらしく早いな!」教室につくといつものように綾太が話しかけてきた。
「あぁ、あんまり眠れなかったんだ。」
「涼がか?珍しいこともあるもんだな。…あっ!昨日の放課後、黒野さんと一緒にいただろ~?もしかしてそれか~?」綾太がニヤニヤしながら言ってきた。
「あー、うーん…まぁ…。」昨日のことを思い出しながら涼は曖昧な返事をした。
「え!?おいまじかよ!まじで告白とかだったのか?」
「え?あ、ち、違うよ!勉強を教えて貰ってただけさ。」昨日のことは内緒にしなければいけないことを思い出し、慌てて誤魔化した。
「ふ~ん。なんか怪しいな~?」納得していない様子の綾太を横目に、涼はアリーヤに視線を送った。アリーヤは黒野の姿でいつものように一人で本を読んでいる。
その姿を見て、涼は昨日のことが少し嘘のように思えた。
キーンコーンカーンコーン
「おーい、お前らー席につけー。」
「なんか今日変だぞ?まぁいいや、後でな!」綾太が席に戻って行った。
「えー、今日の予定は~…」
その日一日、涼はぼんやりとした気持ちのまま授業をうけた。
そして放課後になった。
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