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「……何か、とっても勘違いをしてたみたいね……は、はは、ははは………」
誠意のない謝罪をしている梅香の傍ら、真奈は再び朋絵の方を振り返ると、自分のお間抜けさを誤魔化すように苦笑いを見せる。
「ま~な~」
朋絵は呆れ果ててものも言えないといわんばかりの感じで、カワイイ眉毛を悩ましげに「ハ」の字にしている。
「……いたんだ。ほんとに間違える間抜けが……」
美術部の先輩達も驚愕と唖然のない交ぜになった複雑な表情で、まさか現実に存在するとは思ってもみなかったお間抜けの姿を眺めている。
「あ、あのう、とっても言いづらいことなんですがあ……」
自分が美術部と呪術部の部室を間違えていたという恥ずかしい事実にようやく気付いた真奈は、申し訳なさそうに梨莉花の方を振り返った。
「あたし、部室を間違えてたみたいなんで、そのお……先程の入部の件はぁ…」
「あ、言っておくが、起請文の誓約を違えたら血反吐を吐いて死ぬから」
だが、梨莉花は真奈が言い終わるよりも早く、その恐ろしい内容の割にはひどくあっさりとした口調でさらりと釘を刺す。
「うっ? ……ガ…チ?」
「ああ、本当だ」
梨々花の背後で壁に持たれて腕組みをしている相浄も、そう答えて相槌を打つ。
「ううっ……朋絵~!」
「ハァ……」
今にも泣き出しそうな顔でこちらを振り返る大間抜けな親友に、朋絵は大きく、深々と溜息を吐いた。
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