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もしかして、迷惑だった? なんで、待ってちゃダメなの? 少しでも一緒にいたいの。 お願い、待たせてもらっていい? 佐藤くんは、私と一緒にいる時間なくても平気なの?嫌々付き合ってない? 「・・・なんて聞けるか、ボケー!」 本日快晴。 空に手を伸ばしたくなるほど陽気で気持ち良い二時限目の屋上。 生徒立ち入り禁止のこの場所に、聞こえてくる掛け声で、今日も熱血教師がハリきっている姿が目に浮かぶ。 当然、マジメに体育の授業が行なわれているらしい。 「ったく、こんな気分に耳障りな声」 屋上に張り巡らされてある金網に寄り掛かり、後ろ足で一蹴り。 自分に一番振動が伝わってくる。 それは心の荒れと同じくらい、ひどい衝撃。 「今日も絶好調だな」 「どういう意味かなー?ってかさ、」 私から数メートル距離をとって、同じように金網に寄り掛かっていたツレが、飲んでいたいちごオレをこぼしたらしく、薄ピンクの液体が地面に落ちている。 「きったない。お口が緩いんじゃないの?」 「お前が揺らすから悪いんだろ!だいたい人のこと言えんのかよ」 「へー、私が悪いんだ。しかも口が緩いとも言うんだ。へー、へー」 ガシャンッ、と鳴る音と共に真っすぐ立ち直すと、ツレの真正面まで歩み寄る。 「そんなこと言っていいのかなぁ?」 顔を前に突き出すと、お互いがドアップになるほど近い。そして、すぐに変化は起こる。 「言ってねぇよ!いいから、は、離れろ!」 紅潮していく頬。初々しい反応。私よりも心持ち小さい背は、思わず笑みになるほど可愛さを引き立てる。私にも少し分けてほしい。 「んー、イイ反応。ホント面白いし可愛いよね、キョンって」 頭に手を置き、ポンポンっと二度叩く。ツンツン立たせている真っ黒な髪を潰しながら頭を撫でるのは快感だ。 「やめろよ!しかも俺はキョンじゃなくてキョウだっつってんだろ。可愛いとか言うな」 振り払われる手に若干寂しさを感じながら、怒った顔も可愛いと頬が緩む。 目の前にいるのは間違いなく異性だけど、キョンは間違いなく可愛い。
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