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「あー、また思い出してきた。くそー、どういう意味が含まれてるわけ?」
いくら愚痴ったって答えなんて見えてこないし、出ない。
だから、こうやって叫べる場所は大切。
中学の頃からこうやって居場所を見つけて過ごしてきたから、一番のストレス発散方法だ。
ここ一ヵ月の間にそのすっきりタイムに付き合ってくれるヤツまでできた。
それがキョン。
一人で叫ぶよりも聞いてくれる人がいると、更にすっきりなるんだって、身を持って教えてくれた大切なクラスメイト。
プラス、私の本性を知っている大切なお友達だ。
「それ、本人に言えば一番いいんじゃねぇの?」
「言えたら苦労しない。ってか、キョンがさりげなく聞いといてくれればいいじゃん」
私が付き合っている相手、それはキョンの部活の後輩にあたる佐藤慎くん。
私より頭一つ分背が高くて、惚れ惚れする身体の線。
目はスッと切れ長でがツルツルの髪が繊細さを醸し出している。
普段はほとんど無表情だけど、恩着せがましい優しさで溢れている世の中とは違う、本当の優しさの持ち主。
名前の通り、振る舞いも心もシンのある人。
付き合っているとはいえ、佐藤くんでさえ私の本性は知らない。
むしろ、私の素を知っているのは現在キョンと約あと一名だけ。
佐藤くんは学年も違うし、未だにいじめられていることも知らないはず。
もしかしたら、噂くらいは耳に入っているかもしれないけれど、付き合えた以上関係はない。
それに、あの時のことは覚えていないと思うし、そういう噂を気にするように人でもないから気にしても無駄な気がする。
「今の勢いなら簡単に聞けるだろ。だいたい、それくらい聞けるようになんねぇと知ら」
「 “あ、あのさ、俺・・・青井のこと・・・”」
「あぁー!それは言わない約束だろ!?」
「よろしくね、キョン」
「・・・聞けたら、だからな」
仕方なく納得したキョンの機嫌は少々悪くなったものの、交渉は成立したようだ。
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