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キョンが肝心な時、私に弱くなるには理由がある。 それはいつものように屋上で、愚痴プラス佐藤くんへの想いを叫んでいたある日のことだ。 キョンは私を追い掛けて屋上に来ていた。 そんなこととは露知らず、私がいつものように包み隠さず叫んでいたところを見られた、という安易な話だ。 けれど、その前の日に私はキョンに告白されていた。 そのことが、今の私達の関係を作ってしまったのだ。 「あー、なんで俺こんなヤツに告ったりしたんだろ」 「見破れなかったキミが悪い。だいたいいじめられてるヤツに告白してくる時点でおかしいけど」 「好きだったんだから、しょうがないだろ。それに」 ポツリとバカ素直に今も告白まがいなことを言う姿はやっぱり可愛い。 好きな気持ちだけで体当たりしてくれたことは、もちろん知っている。 本当に私のことを好きだったんだってことも伝わった。 クラスでの立場をわかった上で、告白してくるなんて凄く良いヤツ。否、変なヤツ。 「それいうなら青井をOKした佐藤の方が問題アリだろ」 「佐藤くんは私のことを見た目で気に入ってくれたんだから、問題ナシ。バレてないなら、隠し通せばいい話でしょ」 「せこ・・・」 「何か言った?」 「別に」 隠し通せばいい、だなんてキョンの前だから強気でいれるだけ。 常に頭から張り付いて離れない、嘘の山。 一度つき始めたら、なかなか抜け出せない。 佐藤くんのことが好きな気持ちに一切嘘・偽りはないのに、全てがバレた時にそれさえも疑われそう・・・とか考え出したらキリがないことばかり。 それなのに、後に戻れない。 キョンと一緒にいるのに、沈みそうな心。 それを打ち消すように、キョンをからかう。 「あ、前から聞きたかったんだけど、キョンって同じクラスになる前から私のこと知ってたの?」 「当たり前だろ」 「片思いだったんだ」 「お前が言うなよ」 「ごめんね。付き合えなくて」 「謝られるとすっげぇムカつく」
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