雪の降り積もった朝に

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カイリくんの話を聞き、私は会社へ休むことを電話で伝えた。 時間がないと言われ、言われるがまま後をついて行きながら話を聞いた。 カイリくんはユウタくんと一緒にデビューしていた子で、ユウタくんを調べるとよく一緒に出てくる。 顔がわかった瞬間に思い出した。 そして、今1人でカイリくんに渡されたメモを持って、あるマンションの前に立っている。 入り口で上まで眺めた後、意を決して中へ入る。 昨日の夜にダンスの練習しながらユウタくんは倒れたらしい。 そういうことは珍しいから周りのみんな心配していて、今日の午前中だけ練習を休んでいるとカイリくんは教えてくれた。 ここ最近食欲がないし、元気がなかったから、聞いてみたら私の話をようやくしてくれた、と―。 カイリくんだけしか知らないことで、時間を見計らってユウタくんの様子を見に行ってほしいことを告げられた。 中に入るまでの手順と部屋の地図の書かれた紙の通り、ある1室の前までやって来た。
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