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「ココだよね…」
開錠して恐る恐る中へ入ると静かに扉を閉めた。
言われた通りの時間だから、ユウタくんの他には誰もいないよね?
誰かと鉢合わせとかしたら心臓止まってしまう。
私にこんな爆弾的な秘密だらけの事教えて大丈夫なの?
疑いとかないわけ?
すでに一般人とは感覚が違うものなの?
色々考えたところで、何ら状況は変わらない。
バクバクいっている胸を手でおさえながら、「お邪魔します」と靴を脱いだ。
「この部屋?」
呟くように自分自身に確認しながら、ノックした。
中から返事はない。
あれ、間違えた?
シーンとする室内が緊張感を高める。
開けていいかな?
迷った挙句、ドアノブに手を掛けた。
「誰?」
肩をビクッと上がる。
背後から声が聞こえて、固まってしまった。
どうしよう。
だから、誰かと鉢合わせは心臓に悪いって、じゃなくて、止まるって言ったのに。
さっきより断然早くなった鼓動の音に驚く。
「あの、すみません!私、」
そう叫ぶように振り返ると、少し離れたリビングらしき場所のソファーにユウタくんが座っていた。
「お姉さん?」
「なんだ、ユウタくん…」
息を思い切り吐き出すと、本日2度目の力が抜けて、その場に座りこんだ。
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