雪の降り積もった朝に

4/14
前へ
/14ページ
次へ
それから、次の日の朝。 雪の残る道を滑らないように、また家を早朝に出た。 そして、公園にさしかかった時にふと昨日のことを思い出した。 今日も居たりして、と苦笑しながら遊具前が近づくと人影が見えた。 だんだん近づくにつれ、形は綺麗に見えて、今日は立っている昨日の子だった。 「また会いましたね」とふにゃっとした笑顔で言われ、きっとかなり年下の子なんだろうけど不覚にもときめいてしまった。 昨日は気づかなかったけど、よく見れば整った顔をしている。 「風邪ひきませんでしたか?」と言ってみれば、「あれくらいで風邪ひくわけないですよ」と返された。 この子はイライラさせるのが得意なのか、もしくは私のカルシウムが足りないのか…どちらにしてもこれ以上話はないな、と思い立ち去ることにした。 普通だったら、心配してましたよ感なんて出さないのに、顔が良いからつい会話をしようとした私の欲にビンタしたい。 今日も後悔していると「お仕事頑張って下さい、お姉さーん」と後ろから聞こえた。 お姉さんって、自ら年下アピールか。 ってか、慣れ慣れしい子。 でも、仕事を頑張る気には少しなるかもしれない。 そんなこんなでなぜか毎日のように待ち伏せされ、イライラして、気持ちが上がる日々にも慣れて、私とユウタくんはいつのまにか仲良くなってしまっていた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加