6人が本棚に入れています
本棚に追加
初めてユウタくんに会ったのが月曜日。
土曜日の朝、仕事は休みなのに目が覚めてしまったいつもの時間。
朝ご飯を買いに行って、ふとユウタくんを思い出した。
ドーナツ屋さんの時計を見れば、もうすぐユウタくんと会う時間だった。
約束は何もしてないし、連絡先を交換しているわけでもない。
自然と2人分はあるドーナッツとホットコーヒーも買って、公園へ足が向いた。
いつもの遊具前にはユウタくん。
私を見るなり「お姉さん今日は遅いですよ」といつもの笑顔で言われた。
仕事が休みだと伝え、初めて私とユウタくんはお互いのことを話した。
月曜日から金曜日までは本当にどうでもいいやり取りしかしていなかったから。
ユウタくんは高校生で、ダンスをしていることをこの時初めて知った。
毎日が楽しいけど、不安で、悩んでいて、どうしようも出来なくてボーっとしたくて倒れていた、と初めて会った時のことも説明してくれた。
土曜日に会ったのはこの日だけだ。
私たちの距離は縮まり、たくさん話をして…出会ってからまだ2ヶ月しか経っていない頃、ユウタくんと会うことをやめた。
ユウタくんは私のことを本当のお姉さんのように色んな話をしてくれていた。
だから、余計にもう会ってはいけないと感じた。
最初のコメントを投稿しよう!