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『きらり』と名乗った女の子はやせっぽっちで手足のあちこちに痣があった。自転車もひどく古くて、塗装は剥げて、錆もあった。
きらりはピンク色の絆創膏をとても美しいものを見るような目で見つめていた。そして、思いついたようにポケットからくしゃくしゃになっていた紙を取り出した。
「これ、見せてあげる!」
きらりの出した紙、キラキラと光るそれは、希良梨が広げるとあっという間にアイロンをかけたようにピタリと平らになった。
「わあ、すごい、何これ」
小鳥が驚いて声をあげた。頼羅は、その紙を見て、見覚えがあると思った。
「見ててね」
きらりは、正方形の紙で飛行機を折った。
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