紙ひこうき飛んだ

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 かすかに、笛の音がした。風が鳴っているのかと小鳥と頼羅は耳をすませたが、どこからか聞こえてくるその笛の音は静に、暗い。  頼羅は、時折公園で楽器の練習をしている人がいたのを思い出して周囲を見回したが、時折見かける金色の『し』の字のような楽器を持っている人はいなかった。他の楽器か、それとも着信音声かと思っても、公園に居るのは今は頼羅達三人だけだった。  バスケットゴールの近くにいた五年生達もいつの間にかいなくなっていた。五時の鐘で家に帰ったのかもしれない。
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