いなくなったおじいちゃん

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「親切な方が居てよかったですね」  運転している母と、祖母が話をしているのを聞きながら、頼羅は車の外の景色を見ていた。 「今日は夕方あたりからちょっと様子がおかしかったのよ、行かなくちゃってしきりに外を気にしてね……」 「夕暮れ症候群ですか、でも、めずらしいですね、外出先にいて家に帰りたがる、というのは前もありましたけど」 「そうよねえ、今日は家にいたのにねぇ。……やっぱり、もうどこかに入ってもらうしかないのかしら」 「でも、そうなると一気に症状が進むらしいですしね、GPSも持って行ってますし、おじいちゃん、記憶はあいまいですけど、信号とかの判断力はまだ落ちてないですから……、でも、一度剛(つよし)さんと相談した方がいいですね……」
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