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「おお、頼羅」
源五郎は最初に頼羅の姿を見つけて立ち上がる。
「孫の頼羅だよ、頼羅、こっちの子はイタル君」
そう言う源五郎の向いの椅子に、頼羅と同じ年頃の少年が座っていて、手には、『あの折り紙』があった。
頼羅はどきりとして、ポケットにそのまま入れておいた折り鶴にそっと指を伸ばした。ポケットの中には確かに折り鶴の手応えがあった。
そして、イタルと呼ばれた少年が持っている方は緑色の光をぼんやりとはなっていた。
「こんにちは」
そう言って、イタルと呼ばれた少年が笑った。
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