まだら服の笛吹き、再び

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 公園には、昨日置いたのと同じ場所に自転車が停めたままになっていた。頼羅と小鳥は心臓をくしゃっと掴まれたような、痛いような怖いような思いがして、互いを見た。 「もしかしたら、これからとりにくるかも」  きらりの言ったおじさんは、きらりをそのまま家に送って行ってはくれたけど、自転車で来ていた事を知らなかったのかもしれない。そして、きらりも、たとえば夜が遅くて昨夜のうちには自転車をとりに戻って来られなかったのかもしれない。  二人共、そう思いたかった。
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