おじいちゃんの折り紙

3/3

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
 祖父の言った『たがめ』というのは、祖父がまだ幼い頃に川に落ちて死んでしまった弟の名前だった。水に近い名前の子は水に惹かれるっていうからね、と、頼羅がもう少し大きくなってから、事情を知っていた祖母が話してくれた。  頼羅は、もしかしたらおじいちゃんは自分を見て死んでしまった弟の事を思い出したのかもしれない、と納得した。  光る折り紙を、頼羅は祖父から譲り受けた。大切にして、他の人に見せちゃいけないよ、これはおじいちゃんと頼羅だけの秘密だからね。  そう言った祖父の笑顔に頼羅も笑顔を返した。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加