0人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
頼羅と小鳥が走って行っても、ランドセルのまま来ているらしい五年生男子達が既にゴールを独占していた。がっかりした二人がベンチで、じゃあ今日は何して遊ぼうか、と相談していると、よたよたとした自転車が二人の前を横切った。
あぶない、と、言う前に自転車が横倒しになって、乗っていた女の子が自転車諸共倒れた。
頼羅と小鳥が女の子の方へ駆け寄ると、自転車のどこかにぶつけたのか、女の子は膝から血を流していた。
自転車が倒れて驚いたのと、血が出たショックで女の子が泣き出すと、
「大丈夫?」
と、小鳥がまず女の子に声をかけた。
「あぶないから、自転車どかすね」
小鳥と息の合った様子で頼羅が自転車に手をかける。小鳥が、女の子の手をとって、足を抜こうする体を支えると、すかさず頼羅が自転車を抱えて持ち上げた。
最初のコメントを投稿しよう!