紙ひこうき飛んだ

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 小鳥は、支えた女の子はびっくりするほど軽かった。  ……そして、女の子には、倒れた時の傷とは別に、あきらかに痣のような青黒い跡が、無数に手足にある事に二人は気づいた。  一瞬、頼羅と小鳥は視線を合わせたが、その事には触れず、女の子を気づかいながら水道まで歩き、泥を払ってから傷口の汚れを流した。  いかにも痛そうな見た目に、頼羅が身をすくめても、女の子は、さっきはあんなに泣いたのに、もう、無表情で水が流れるのを見ていた。 「……痛む?」
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