あらすじとプロット

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あらすじ 人口約九万人の小さな都市、千羽(ちば) この国で最も有名な文学賞『君都賞』。その君都幸博の出身地で知られている千羽市では、人々の創作活動が盛んだった。街にはプロを志す小説家、脚本家、シナリオライターなどが多く、中心街の『ゆかりヶ岡』では、大型書店やそれに伴うイベントスペースが、常に賑わいを見せている。 市内の中学に通う東兼始哉(とうがねもとや)は、そんな街の風潮とは正反対のスポーツ少年。陸上競技や団体球技は大の得意だが、物語と名の付くものに、まるで興味と理解力が無い。 そんなモトヤは週に一度、幼なじみの少女、弑柴一乃(しいしばいちの)の家に訪れる。重度の引きこもりである彼女の話し相手になるためだ。イチノはモトヤとは真逆で、漫画やゲーム、小説や映画に没頭する、筋金入りのオタク気質。 正反対の二人だが、長い付き合いもあって、お互いの心情・主張は尊重している間柄。この街に生まれながら物語が読めないモトヤ。コミュニケーションを欲しないイチノ。大人は改めろと言うけれど、自分達は好きなものでも、決して押し付けたりしない。 ある日、二人はイチノの部屋のドア越しで、幼少の頃の思い出を語り合った。日替わりでそれぞれのやりたいことに付き合う事を提案した日々。月水金はイチノの部屋で、漫画やゲーム、DVD観賞。火木土は公園や河川敷にくり出して、野球、サッカー、鬼ごっこ。「今にして思えば、片方は退屈していた 」とお互い白状し、笑い合う。 その時、外で異変が起きた。天候、気候が目まぐるしく変わりだし、昼夜が目に写る速度で入れ替わる。まるで世界が早送りになったかのよう。それも、テレビのニュースを観る限り、異変はこの一帯、千羽市だけで起きているようだった。 唖然とする二人に、更なる異変が訪れる。いつからそこにあったのか、一枚のしおりが部屋の中空を彷徨っている。 『力を貸してくれませんか?私の記憶がそこにあるかも知れない』 しおりが指し示す先は、イチノのパソコン。そこにはイチノが執筆したファンタジー小説があった。
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