流れ星に願いを

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流れ星に願いを

 少女はいつも孤独だった。父親は少女に関心が無く、母親は少女を憎んでいた。両親から愛情を注いでは貰えず、いつも孤独に一人泣いていた。  少女は泣き虫だったが、心は強かった。だから辛い思いをして泣く時は、一人きりの時だけだった。泣く場所はいつも決まっている。家の屋根の上だ。夜になると屋根に上り、一人静かに泣いていた。沢山泣くと、これ以上涙が出ない様にと、夜空を見上げた。空を見上げると、自然と涙が止まる。俯いている時は、とめどなく涙が流れるが、顔を上に向けると、涙は瞳の中に吸い込まれる様に、消えて行った。とても不思議だった。  夜空を見上げ、星を静かに見つめていると、まるで星が慰めてくれている様な気がした。 「もう泣かなくていいんだよ。」  そう言っている様に思え、心が穏やかになった。  星空は少女の心を、優しく包んだ。小さな光を幾つも放ち、語り掛ける様に輝く。その光はとても温かくて、孤独に冷え切った少女の心に、温もりを与えた。  少女の心が穏やかになるのは、その時だけだった。だから夜は、少女にとって特別な時間。     
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