信じて待ってる

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家に着くと、一人の女性が家の前で待っていた。 ブルームを後ろにして庇いながら女性に近付いて声をかける。 「家に何かご用ですか?」 「あら、お出かけでしたか?呼び鈴を押そうかと思っていたのですよ」 そう言って振り向いた女性は、王弟妃殿下だった。 一人ということはお忍びなのか、または少し離れた所に護衛がいるのかもしれない。 「セリーヌ様、どうしてこんな所に?呼んでくだされば、私が出向きましたのに」 「たまにはわたくしも外の空気を吸いたいのです。空の青さに心を癒したいのです」 「このおばちゃん誰?」 いつの間にか私のとなりに出ていたブルームを慌てて叱る。 「こら、失礼なことを言わないの!この方はとても偉い方なんだからね!」 「いいんですよ。初めまして。わたくしはセリーヌと言って、あなたのお父様の知り合いです。わたくしの夫があなたのお父様とお友達なんです」 「ふ~ん」 「本当にすみません!後でよく言って聞かせますので!」 「ふふっ、しっかりした母親になられて。けれど…今日はあなたによくない報せがあるのです」 この時点で何となく分かった。 あの人はもう帰ってこないのだと。
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