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リンダは相変わらず足の爪先が隠れるぐらいの長いスカートを履いていて、友人と喋っていても伏し目がちだった。
時々腰辺りのスカート部分をぎゅっぎゅっと掴み、その度にスカートが揺れて足の爪先と長い尻尾がチラチラと見えた。
「久し振り。リンダ」
アリスはリンダに話し掛けた。
リンダはびっくりした目でアリスの目を見詰めて直ぐ様下を向いた。
「アッアリス、久し振り。来てたんだね」
「うん。リンダも」
それからアリスとリンダはお互いの事を少しだけ話した。
二人とも恋愛歴無し。好きな人すらいなかった。
アリスは少しだけホッとした。
この歳になると急に同級生が結婚をしだし焦りがあったからだ。
─ゴーンゴーン
鐘がなる。
結婚式が始まった。
アリスは「じゃあ、また」とリンダに挨拶をして新婦の元へと駆け寄った。
あれから3年。
リンダはアリスに結婚式の招待状を送ってきたのだ。
「前はお互い恋愛歴0だったじゃない、、でも、どんな人だろう。リンダのお婿さんは。リンダは大人しい子だから、きっと大人しい人なのかな」
アリスは少しばかり複雑な想いはあったが、やはり祝福したい気持ちもちゃんとあった。
「ユニコーンが起きるときか、一ヶ月後だね」
カレンダーを見ながらアリスは手紙を書き出した。
─dear リンダ
結婚式に招待をしてくれてありがとう
必ず行きます
from アリス─
「これでよし、郵便屋さんに手紙を出しにいこう」
アリスは招待状に書かれたリンダの住所に手紙を出した。
速達専門のリクガメ配達員さんで。
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