スリーカード

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外の雨は止みそうに無い・図書当番が終わるまでに止めばいいけど 雨宿りしてる生徒がいるのか・何時もより人も仕事も多い 返された本を所定の位置に戻す・自分が好きな本だとちょっと嬉しくなる 受付に座ったまま外の雨の降る様子を見てる図書委員がもう一人いたりはする/図書委員としては自覚が足りない先輩を横目で見る けど「手伝ってよ」とは言わないことにしている・私にとって という視点で考えてしまうからだ 「もし無人島に行くとして・1冊だけ本を持っていけるとしたら 君はどの本を選ぶ?」 唐突な質問を突然投げてくるのが先輩の悪い癖・ぢゃなくてお茶目なトコロ としておこう/ そう思わなきゃ・余計な会話になんか付き合ってられない/ 連休明けの午後はともかく・外は雨だし 図書当番だし 先輩と一緒だし なぜにこんなにタイミングよく スリーカード が揃っちゃうのだろう だいたい無人島なんて設定・いくらなんでも現実感がない というか妄想というか 「あ・違う 『もし無人島に2人で行くとして』 だった」 先輩がさも真剣そうに考える顔をしてる時点で・からかわれているのは分かる/ いついつものことだ 「2人って? 1人は自分ってことですよね/相手は誰でもいいんですか?」 こっちも真面目な声 と態度で応戦してみる 「相手によって・その1冊の本って変わっちゃうのかなぁ」 「やっぱり・変わるんじゃないかぁと いえ・きっと変わります!」 自分でも驚くほどの断言をする/深い意図は無いが・浅くは 話す相手が先輩だからだ
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