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海の砂が打ち上げられた白いデッキを歩く。
角材で出来た手摺にも砂がざらつき、俺はそれに肘を突いてタバコを咥えた。
風でなかなか火がつかないが、それにも慣れた。
タバコの煙は一瞬で風に流され、俺は目を細めて海を見た。
秋の海は夏の余韻を残す様に輝いて、その香りと色だけを変えている。
海の傍に住むのが幼い頃からの夢で、潮風を感じながら未和子とこの小さな家で一日を過ごす。
デッキの隅に置いた灰皿にタバコを放り込んで部屋に戻ると煤けた鏡の前にある洗面台で顔を洗った。
新しいタオルで顔を拭きながら光の差し込む寝室へ戻った。
未和子はまだ白いシーツに包まって眠っている。
俺はそのベッドの隅に座り、シーツの中に手を入れて、未和子のそれに触れる。
未和子は少し身体をよじり俺に顔を見せたが、まだ目覚める事は無い。
未和子のそれが徐々に湿って行くのがわかる。
俺が優しく未和子を撫で上げ続けると、未和子の寝息は吐息に変わり、そして吐き出すような息になり、身体を開いて行った。
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