ナチュラル

4/23
前へ
/23ページ
次へ
「慧…やめて…」 未和子は目を覚まして震える声でそう言った。 「わかった」 俺はそう言って未和子から手を離す。 「あん、違うの…」 「違うってなにが…」 俺はベッドから立ち上がる。 そしてリビングへと行き、何もないリビングの中央に座り、そして大の字に寝た。 未和子に火をつけて放置する。 これも俺のセクシャリティ。 しばらくすると未和子の湿った声が寝室から聞こえてくる。 火がついた身体を鎮めるための自慰行為。 付き合い始めた頃はトイレで隠れてやっていたが、今では堂々としたモノで、果てるとすぐに下着を着けてやってくる筈だ。 三、二、一…。未和子は息を吸いながら果てる。 そしていつもの様にすぐに俺の傍にやってくる。 俺を覗き込む様にしゃがむと、 「お腹空かない…」 と言う。 俺はゆっくりと身体を起こして、無言で頷く。 未和子もソファに掛けたワンピースを被る様に着ると、上からカーディガンを羽織った。 「何か食べに行こう…」 再び俺の傍に来て俺の手を引く。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加