ボーイ・ミーツ・???

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ボーイ・ミーツ・???

 翌土曜日は午前授業の日だったから、放課後にお弁当持参で練習する部員も数多くいて菜摘もその一人だった。一方、はるかは部活に顔を出すことはなく、そそくさと学校を後にした。麗に呼び出されているからだ。  振り返って校舎を見上げると、音楽室からは様々な色彩の音符が溢れ出しているのが見えた。  みんな頑張ってるんだなぁ、そう思いながらはるかは自分が麗に呼び出された理由を想像した。すると心当たりは一つだけあった。  ……あんまり部活に顔出してなかったからなぁ。みんな月・水・金以外も自主練してたし。あたしは屋上で千賀先輩に教わってはいたけれど、みんなから見れば諦めて早々に引き揚げているようにしか見えなかったんだろうなぁ。  ……はぁ、やっぱり選考会の演奏、そんなに上手くなかったのかな。菜摘はああいって褒めてくれたけれど。まいっか、それでもあたしの中ではおっきい進歩だ。自信を持とう!  そう思いずんずん歩いていくと、校門を出たところに麗の姿があった。この場所で待つように事前に連絡があったのだ。麗ははるかに気づくと真顔で小さく手を挙げた。  はるかは驚き、すぐさま麗に駆け寄り、ばっと頭を下げる。 「すみませんでした。遅くなってしまって」  待たせないようにと早めに着いたつもりだったけれど、麗を待たせてしまったのは事実だからだ。 「いいのよ、顔を上げて」  静かな声だった。怒られるんじゃないかと思ってびくびくしていたけれど、その静けさが尚更恐怖心を駆り立てる。  はるかがおそるおそる顔を上げ麗の表情を伺うと、麗は「ついてきて」と淡泊にいって、すっと背を向けた。 「あっ、はっ、はいっ!」  はるかは慌てて麗の後をついてゆく。
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