第三章 致命的な願い

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 理由は簡単だ、単純だ。  まず第一に――顔が好みじゃない。  第二に――スタイルが気に入らない。  最後に――性格が気に入らない。腹黒い考えを持って近づいているんだろうが、それが分かっているからこそ、断っている。  それに、僕には既に理想の彼女がいる。  それも“魔法の本”に書いた願い事だ。  その結果、僕の理想通りの女性が僕の彼女になって、今は同棲している。  もちろん――僕が買った高級マンションで、だ。  それだけは自分の力でだ。本の力に頼るまでもない。  そして今日も仕事を終えた僕は、僕の帰宅を待つ彼女がいる家に帰る。  玄関の扉を開けると、 「ただいまー」 「おかえりー」  すぐさま同棲している彼女のお出迎えだ。
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