第三章 致命的な願い

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 彼女は僕にぞっこんなのだ、だからこうして毎日お出迎えしてくれる。  もはや新婚みたいな感じだが、まだ結婚はしていない。  その理由は“彼女に飽きる可能性がある”からだ。  美人は三日で飽きる――と言う言葉があるように。  いつか僕も彼女に飽きる日が来る可能性があるかもしれない。  今はまだ大丈夫だが、もしそうなった時には、今の彼女を捨てて、新しい理想の恋人を探せばいいだけの話だ。  なにも問題はない。 「晩御飯、温める間にお風呂に入って来なよ。その後でゆっくり一緒に食べよ」 「うん、分かった。そうするよ、ありがとう」  彼女に言われるがまま、帰宅して早々僕は湯船に浸かることにした。  ……でも、気のせいかな。  今日の彼女はいつもと様子が違っていた。
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