第三章 致命的な願い

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 もう逃げることは出来ない――だから僕が愛した人よ、存分に幸せになると良い。  それは僕と同じ運命をたどる、ということなのだから。  その時、思う存分絶望すると良い。  それが僕を裏切った罰だ、呪いだ!  たった“一冊の本”で存分に自分の人生を狂わすと良いッ!  そう思うと自然と笑いがこみあげてきて、僕は大笑いをしてしまった。  でも次の瞬間――僕の背中に走った激痛、それが僕の意識を刈り取った。  その刹那、僕は学習した――『馬鹿は死ななければ治らない』という意味を。  嗚呼、こういうことなのか……と。
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