第二章 叶い続ける願い

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第二章 叶い続ける願い

 翌日――僕は寝坊をしてしまった。  昨日は遅くまで友達と遊んでいたから寝坊するのは当然なのだが、今日は大事な講義がある。  それに出席しないと、今度のテストにも多大な影響が出る、と教授が言っていた。  だから今すぐ支度して大学に向かわないと!  でもどんなに頑張ったところで、大学への通学時間を考えると絶対に間に合わない。  間に合わないどころか、その講義が終わった数十分後に大学に着くような計算だ。  大事な講義を欠席した僕は、テストの点が悪くなることが決定した……嫌になる。  嗚呼……ここでなにかしらの理由で急に大学が休校になればいいのに。  そうすれば、講義自体も無くなるのに……  現実逃避をする僕に――だけど視界の隅に、昨日拾った、あの真っ白の本があった。  確か……あの本はカバンの中に入れっぱなしにしていたはずなんだけど、記憶がないだけで近くに置いたのかな。
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