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第三章 致命的な願い
何事もなく無事に大学を卒業した僕は、本に書いた願い通り、簡単に大企業に就職することが出来た。
そしてそこでは与えられた仕事をミスなくこなし、上司にも気に入られていた。
――当然だ、それも本に書いたのだから。
だから僕の出世街道はまっしぐら――その内、僕の出世が決まる、という話を噂で聞いた。
――当然だ、それも僕が“魔法の本”に書いた願い事なんだから。
つまり――僕は本の力で『エリート』の称号を手に入れたのだ。
出世すれば当然その分給料も地位も上がる。会社内でも評判も上がる。
それが若ければ若いほど、その人――つまり僕がどれだけ優秀だというのが会社内に伝わる。
だから、周りから羨ましそうな目で見られることも、嫉妬されることも日常茶飯事で。
会社の中で女の子から告白されることもしょっちゅうだ。
だけど僕はその告白を全て断っている。
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