第一章

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 嫌な感じの音を響かせながら押しては、オレの顔の近くに座り込む。  “フンスッ。”何てデカイ鼻息を顔に浴びせ。尻尾で頭をそよぐ。 『!』  自信満々な凛々しい表情をオレに見せつけて居るのだ。何て事。  オウカはオレの為に憎き時計をやっつけてくれた訳で、それを誇っている。  やべ感動で泣きそう。でもこれは何時も見てるオレの都合の良い  夢だから───じゃない。そうだそうだった。  オレにはもう本当にツクモが、オウカが居るんだ。  これは何時も見てた夢なんかじゃない。あ、また泣きそう。  泣きそうに成りながらもオレは左手を動かし。 「えらいぞオウカー。」 『───』  撫でる左手にオウカが頭を擦り付けてくるのが、最高に  こそばゆくて気持ちが良い。オウカの背の辺りに手を置くと手の平に  じんわりとした温かさが伝わり、それは  何時もの夢には無かった暖かさだ。ぐす。 「全ッ然偉くないでしょうが。ほら起きなさい!」  言いながら、母さんが掛け布団を勢いよく剥がす。体がさぶい。  でも母さんがオレの部屋に来てたって事は、本当にもう起きないと  大変な時間なんだな。オレは頑張って起き上がり。母さんに顔を向け。 「お゛あ゛よ゛う゛があさん゛。」 「ちょちょちょちょちょ、どしたの!?     
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